正常卵を子宮内へ受け入れない要因は主に四つあります。 一つ目は年齢です。卵巣と同じく子宮も加齢とともに老化します。 二つ目は気分です。気分が悪いとすべての器官に悪影響します。 三つ目は免疫です。免疫は卵の受け入れを助けますが、バランスを崩すと不寛容になります。妊娠の免疫には着床・妊娠を助ける免疫と、攻撃する免疫があるのです。 四つ目はホルモンです。ホルモンの状態が不良であれば、卵を育てることができません。 四つの要因はすべて繋がっていますから、四つの要因をより正確に評価して、治療することが理想です。 私は不育症の臨床研究に40年以上関わっていますが、人の着床・妊娠初期の「治療」に関する研究は倫理的な壁により、ハイレベルな証拠は難しいのです。 当院の診療においては、少しでも良い結果の確率を高めるため、四つの要因を診て、40年以上の治療経験も頼りに手ごたえのある診療をしています。