人体発生学から見て、発生9日目頃(妊娠3週2日)(胚盤胞移植4日目)には胎盤になる絨毛細胞の組織内に腔隙が出現し、子宮内膜のラセン動脈~毛細管と交流し始めます。 ラセン動脈の血管平滑筋細胞層は母体の交感神経の影響下にあります。 つまり、母体がストレスにより過剰な緊張状態にあれば、ラセン動脈が収縮して胚に十分な酸素を供給できません。 この危険を少しでも回避するためなのか、妊娠4週頃より子宮内膜内の絨毛細胞がラセン動脈内に浸潤し、妊娠16週頃までに、血管平滑筋細胞とほぼ完全に置換してしまうのです。 これにより、妊娠16週以後については、原則、胎児―胎盤系は母体の神経支配を受けることなく、血管を拡張して酸素に満ちた血液を吸収できるのです。