いろいろな動物、たとえば、ラット、ハムスター、マウス、そして、馬において、妊娠初期のストレスが流産の原因になるという研究報告は、1973年から1989年にかけて数多く発表されています。 1984年には、マウスにおいて、ストレスが胎児の先天異常率も上昇させたという研究報告もあります。 マウスにおいては、流産しやすい組み合わせがわかっています。 その流産しやすいマウスモデルの妊娠直後に24時間、音のストレスを与え、与えなかった群とその流産率を比較した研究報告が、1995年、ドイツ、フランス、カナダの共同研究チームより発表されました。 その結果は、ストレスを与えなかった群の流産率が15%に対して、ストレスを与えた群の流産率は35%と高率でした。 このメカニズムについては、ストレスにより、神経伝達物質(サブスタンスP)が上昇し、その神経伝達物質がNK(ナチュラルキラー)細胞を含めた免疫系を活性化して流産させている可能性が高いと報告されています。 このように動物実験ではありますが、妊娠初期のストレスにより流産が誘導されるという研究報告は数多くあるのです。