当院を受診される不育症患者さんの4人に1人は38歳以上47歳以下の方であり、5人に1人は体外受精・胚移植により妊娠されています。 精神的な危険因子を内在され、不育症、着床障害の専門的なアドバイス、治療と、特異的な精神療法を必要とされている方が多くいらっしゃいます。 先日、多くの困難を乗り越え、やっと妊娠11週まで妊娠継続に成功し、最後の超音波検査ですくすく育った赤ちゃんを見て、ついに感情を抑えきれず、泣き崩れてしまった患者さんがいらっしゃいました。 「ごめんね、ごめんなさいね、今まで育ててあげられなかった赤ちゃんたち。もっと早くここへ来ていれば・・・。ごめんね、ごめんなさいね。」 私は、その言葉に一瞬、戸惑い、驚いてしまいました。 そして、ある言葉を思い出しました。 「死者に対する最高のたむけは悲しみではなく、感謝の心だ。」 という内容です。 そこで、「今までに亡くした赤ちゃんたち。子宮の中だけのわずかな命であっても、あなたの体のなかに来てくれたのです。いろいろな運命を背負って、精一杯生きてくれたと思います。後悔するのではなく、自分を責めるのではなく、悲しみ続けるのではなく、やっぱり、感謝してあげてください。その心が、供養になり、今回の赤ちゃんへのより深い愛情につながると思います。」という内容をお話させていただきました。