流産・死産予防薬としての、子供用アスピリン(バッファリン81、バイアスピリン100)の飲み方のポイントをお話しします。 抗リン脂質抗体陽性か、血栓性素因の方には、子宮内の血栓予防効果により有効ですが、それ以外の方には効果がないばかりか、子宮内の血腫の原因となり、かえって危険です。 いつから飲むのかについては、妊娠の可能性がある排卵日頃からか、胚移植後が推奨されます。 妊娠中は、10人中1~2人ぐらいの割合で、茶おり程度の少量の性器出血がありますが、妊娠中、生理2日目ぐらいの多めの出血があれば、飲むのを一旦中止することをお勧めしします。そのまま飲み続けると、血種ができて胎盤がはがれてしまう可能性があります。 いつまで飲むかについては、原則、妊娠28週までです。 飲むのを中止するのは心配ですが、日本の公文書である医薬品情報としての添付文書(2021年版)では、出産予定日12週以内の妊婦では、「禁忌」 に指定されています。 その理由は妊娠29週以降飲み続けると、動脈管の早期閉鎖、分娩時出血の増加につながる恐れがあるからです。 海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と、先天異常児出産の因果関係は否定的だが、長期連用した場合は、難産、死産、新生児死亡等の危険が高くなる恐れを否定できないとの報告です。