正常妊娠において、胚は半分異物(夫由来)ですが、胚の胎盤になる細胞が子宮内膜の奥深くへ侵入して増殖しなければなりません。 そのために胚の胎盤になる細胞(非自己)と子宮内膜の免疫細胞等(自己)は盛んにメッセージ物質を交換していることがわかっています。 その交流のバランスが壊れると、胞状奇胎や絨毛癌になったり(頻度は低い)、胚の発育が止まったりするのです。 子宮内における母児間の同種免疫は特殊な免疫環境です。 胚が正常に発育するために、子宮内の免疫細胞は、生着を抑える働き以外に、生着を促進する働きも持っているのです。 ですから、妊娠の同種免疫 異常とは、胎児を攻撃するだけではなく、胎児の生着を助ける働きの低下も含まれているのです。