<青木産婦人科クリニック> きちんと知りたい「不育症」

きちんと知りたい「不育症」

主婦の友社『赤ちゃんが欲しい』35号より転載(2008年4月発行)

ストレスも流産の原因に?
赤ちゃんを授かったにもかかわらず、流産や死産で失ってしまうのは悲しくつらいもの。
それを繰り返す「不育症(習慣流産)」について、まだまだ知られていないのが現状です。
不育症の危険因子や治療法、ストレスとの関係について先生に話を伺いました。

お話
青木耕治先生
名古屋市立大学医学部卒、1984年、日本初の原因不明不育症の夫リンパ球免疫療法成功例を発表。名古屋市立城西病院第一産婦人科部長をへて、今年5月に青木産婦人科クリニックを開院。約30年にわたり不育症の研究、治療に携わる。

取材・文/高井紀子 編集協力/童夢

1.不育症とは…

おなかの赤ちゃんが育たない「不育症」
 妊娠してもおなかの赤ちゃんが育たずに、流産や死産を繰り返してしまう症例を「不育症」といいます。流産を3回以上繰り返す「習慣流産」も、現在は不育症とほぼ同じ意味で使われています。私は「連続して2回流産」した場合、不育症と考え治療にあたっています。
 初めての妊娠で流産する確率は10~15%、その半分以上は胎児の染色体異常による、いわば偶然のでき事。それ以外にも今後も流産が連続するような因子があるかもしれませんが、その原因をくわしく調べるのは数回流産を経験した場合が一般的です。近年は不妊治療によって、自然妊娠より早く妊娠できることも影響して、流産を繰り返す人がふえています。

子宮内膜環境を悪化させる心理的ストレス
 流産とは、子宮内で赤ちゃんがうまく育たなくなるために起こるもの。その要因の一つに、ホルモン分泌の変化があります。流産や死産を繰り返した女性は、次の妊娠への不安や周囲の声をプレッシャーに感じるなど、大きなストレスにさらされています。こうした状況がホルモンや自律神経の変調を招き、赤ちゃんの成長を止めてしまう場合もあるのです。

流産の手術によってもストレスが増加
 突然、赤ちゃんを失うショックと悲しみ……。加えて、約1週間以内には子宮内容物をとり出す手術もしなければなりません。手術は麻酔を使いますが痛みもあるため、心身がさらに傷ついてしまいます。
 近年、アメリカでは、子宮収縮の副作用がある胃薬を用いて子宮内容物をとり出す試みが成果をあげています。この方法が日本でも広がると、流産後の心身の負担が少しは軽くなることでしょう。しかしそれ以上に、傷ついた心のケアにとり組むことが、次の妊娠への不安をやわらげ、治療効果を上げると私は考えます。

きちんと知りたい「不育症」

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