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不育症と着床障害のポイント解説

院長のブログにて連載中の内容を転載しました。

人体発生学から見て、
発生9日目頃(妊娠3週2日)(胚盤胞移植4日目)
には胎盤になる絨毛細胞の組織内に腔隙が出現し、
子宮内膜のラセン動脈~毛細管と交流し始めます。

ラセン動脈の血管平滑筋細胞層は
母体の交感神経の影響下にあります。

つまり、母体がストレスにより
過剰な緊張状態にあれば、
ラセン動脈が収縮して
胚に十分な酸素を供給できません。

この危険を少しでも回避するためなのか、
妊娠4週頃より子宮内膜内の絨毛細胞が
ラセン動脈内に浸潤し、
妊娠16週頃までに、
血管平滑筋細胞と
ほぼ完全に置換してしまうのです。

これにより、
妊娠16週以後については、原則、
胎児―胎盤系は
母体の神経支配を受けることなく、
血管を拡張して酸素に満ちた血液を
吸収できるのです。
体外受精の技術によって、
受精から胚の成長までは
科学的に解明されつつあります。

しかし、胚を移植して妊娠確定までの期間は、
その発育過程がほとんどわかりません。

神の領域です。

精神、免疫、ホルモン、凝固、子宮形態などと、
ときに運命が
密接に関係しているのです。

学問としての医学だけでは説明できない
場合もあります。
医学の実践ではなく、
哲学的な要素も交えた医療
が必要であると思います。
アラフォーになり、
度重なる体外受精の結果、
お腹の子が、
やっと妊娠6週過ぎまで順調に育ったのに、
流産してしまった。

原因は卵の質が良くなかったから、
お腹の子がそこまでしか育たない
何かを持っていたからと言われた。

はたしてそうでしょうか?
流産した赤ちゃんの染色体検査をしていれば、
ほぼはっきりわかったのですが。

統計的に
染色体異常の確率は約7割ですので、
約3割は染色体正常な子、
つまり、
約3割は子宮環境に問題があり、
その問題を予防できていれば、
助けられた可能性があるのです。
国際医学用語では
Recurrent implantation failure と言われています。
直訳すれば、反復する着床の失敗(不完全)です。

ですから、
着床障害=反復着床不全
と考えてもいいように思います。


繰り返し良好胚を移植しているのに、
妊娠成立しないか化学流産するのは、
卵の異常以外に、
子宮内膜の環境の異常があるのです。

3回以上、良好胚の移植が失敗(不完全)ならば、
子宮内膜に問題がある可能性が高く、
着床障害と考えられます。

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