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(33). Th1/Th2検査、タクロリムス治療

原因不明不育症患者では、

健常者に比べて、
Th1免疫細胞/Th2免疫細胞
の比が高く(Th1優位)、

夫リンパ球免疫治療すると、

多くの例で
Th1/Th2細胞比が低下して、
低下した患者さんでは、
有意に高く妊娠維持に成功した
という報告が2000年にありました。
(Am J Reprod Immmunol)

Th1細胞は、
インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)
という物質を分泌して、
ナチュラル・キラー(NK)細胞等を活性化し、
細菌やウイルスなどの異物を攻撃します。

Th2細胞は、
インターロイキン4(IL-4)
という物質を分泌して、
B細胞を活性化し、
花粉やダニなどのアレルゲンに反応します。

当院では、開院時より、
Th1/Th2細胞比の検査より
さらに信頼性の高い

インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)と、
インターロイキン4(IL-4)の
高感度 精密 定量 検査を
行っています。


タクロリムスは、

ステロイド以上の
強力な免疫抑制薬であり、
腎臓などの臓器移植における
拒絶反応を抑制する薬として、
近年、開発されました。

反復着床不全(着床障害)の患者さんで、

Th1/Th2細胞比が高い場合、

移植前より妊娠成立までの期間に、
タクロリムスを服用すると、
少数例の研究ですが、
妊娠率が有意に高かったという報告が、
2015年にありました。
(Am J Reprod Immmunol)

理論的にも魅力的な
臨床研究結果ですが、

2018年7月改訂の
日本の医薬品添付文書(公文書)では、

「警告」 として、

「本剤の投与において、
重篤な副作用により、
致死的な経過をたどることがあるので、
緊急時に十分に措置できる医療施設
及び本剤についての十分な知識と経験
を有する医師が使用すること。」

と書かれていますので、
十分な注意が必要と考えられます。

当院では、免疫検査で
免疫抑制が必要と判断された場合、

子宮内ステロイド洗浄治療と、
ステロイド内服(10mg~15mg/日)治療
を行っています。

他院で不成功が続いている
難治性不育症、
難治性着床障害
の方への治療の一つとして、
良い成績を得ています。

最終更新日: 2019年01月29日 15:15