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(2). 不育症を呼び起こす要因とは…

今後も流産が連続するような不育症の危険因子には次のようなものがあります。これらがいくつも重なっていたり、また、特に原因が見つからなかったりすることもあります。

内分泌異常
プロラクチン、甲状腺ホルモンなど
 
 脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンは、別名、愛情ホルモン、ストレスホルモンとも言われており、日内変動により夜中に高くなります。乳腺を刺激する働き以外に、卵巣機能を抑制したり、免疫細胞を刺激したりする働きを持っています。値が高いと不妊症、不育症の原因になるのです。二人目の不妊症、不育症の原因でもあります。また、ストレスにより高値になってしまいます。
 そして、ごくわずかな甲状腺機能の低下であっても、妊娠初期の流産の危険因子であることが、2012年の米国内分泌学会ガイドラインに報告されています。妊娠初期には甲状腺ホルモンの需要が約1.4倍に増大しているのです。
プロラクチンも甲状腺ホルモンもストレスと関係があり、甲状腺ホルモンの数値が低いと、体が冷えたり精神的に不安定になることも。これらは薬物療法で改善していきます。


凝固因子異常
血液が固まって胎盤に血栓ができやすくなる

 血液中の凝固因子(血液を固めて血を止める働き)に異常があると、血のかたまりの血栓がつくられやすくなります。妊娠中に胎盤内に血栓がつくられると、胎児に栄養が運ばれなくなり、流産や死産を招くおそれがあります。


抗リン脂質抗体
自己免疫の異常で血栓がつくられやすくなる

 自己免疫異常の一つで、「抗リン脂質抗体症候群」と流産や死産との関係が知られています。免疫は本来、外からのウイルスなどから身を守る体の防衛システム。この免疫に異常があると、自分の体や組織を異物のように認識して攻撃してしまうことがあるのです。自己免疫異常がある場合、血液検査で自己抗体が検出されます。自己抗体にはさまざまな種類があり、抗リン脂質抗体があると血栓ができやすく流産・死産を引き起こすと考えられています。


同種(拒絶)免疫異常
胎児の夫由来部分に過剰に反応してしまう

 お腹の中の赤ちゃんや受精卵の半分は、父親由来の組織です。つまり生物学的に言えば、赤ちゃんは母体にとって、異物と見なされてしまう危険性があります。しかし、妊娠にはそれを阻止し、赤ちゃんを体内で育てるためのメカニズムがあります。この妊娠維持のメカニズムがうまく機能せず、赤ちゃんの夫由来部分をそのまま異物と認識してしまうことで流産にいたると考えられています。


ストレス
ストレスは体調変化にもつながる

 多くの人がかかえる心理的な「ストレス」。これも重要な危険因子のひとつなのです。強い緊張により血管が収縮して血流を悪くしたり、またホルモン分泌や同種(拒絶)免疫系にも影響を及ぼすからです。不育症の人は赤ちゃんを失った悲しみや、「自分のせいで流産したのでは」という罪悪感などで精神的に追い詰められている人が少なくありません。妊娠初期には不安が高まり、下腹部痛、不眠など体調変化につながることも珍しくないのです。


子宮形態異常
着床や胎児の成長に影響する

 双角子宮、単角子宮、中隔子宮、あるいは子宮筋腫など、子宮形態に異常があると、赤ちゃんに栄養がうまく運ばれないなどで流産しやすくなります。形成手術により次の妊娠に備える場合もありますが、手術をしなくても約60%は妊娠継続が可能です。


染色体異常
夫婦の染色体異常が一定の確率で引き継がれる

 夫婦いずれかに染色体異常(約3~4%)があれば、受精卵にも一定の確率で染色体異常が起こり、流産の要因になります。流産率は、夫婦いずれかの染色体異常で約50%。これはあくまでも確率の問題であり、出産できないわけではありません。一部に着床前診断の適応となるケースもありますが、体外受精の必要があるため慎重な判断が求められます。
最終更新日: 2018年11月19日 21:14

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